2010年09月06日

おばあ

9月5日は、母方のおばあの命日でした。

会った回数はきっと数えるほどなのかもしれないけれど、
いつもあたたかい笑顔で迎えてくれたおばあ。

妹と二人だけで飛行機に乗って会いに行った中学生の時、
二人とも男の子の帽子をかぶっていたからすぐに気付かなかったよね。


好きなものを食べなさいって、
サンエーのお総菜コーナーでオードブルを買ったこともあったね。
おばあ、あなたの手料理で育った娘の子供だよ、
おばあの作ってくれるものならなんでも喜んで食べるよ。
にがうりだってへちまだって、まんじゅうだって食べるよ。


足を悪くした時、
一緒にサンエーに買い物にも行けないことを残念がっていたよね。
おばあはどこーにも行けないから、これで好きなものを買いに行きなさい、
とお小遣いをくれたね。
買い物より、おばあと話している方が楽しかったんだよ。
おばあとおしゃべりしながらの買い物が、楽しいんだよ。


無口で、少し耳の遠いおじいの言葉を、
いつも私に届けてくれたね。

あなたの娘は、
あなたの娘であることをなによりも誇りにしていることを知っているよ。


おばあ。

私に魔法の言葉をくれたおばあ。
私の大好きな宮古島に吹く風を、
どこまでもいとおしいものにしてくれたね。
いまでも、あの石垣に座っていたおばあを鮮明に思い出せるよ。



遠く埼玉にいた私は、
おばあちゃんと一緒に住んでいたり、
すぐ近くに住んでいるというクラスメイトがうらやましい時期もあったんだよ。

おばあや、
おじいや、
いとこや、
親戚が近くにいない環境で育ったから、
ほんの少しうらやましかったんだ。


だから、
いつか、
できれば数年後に、
宮古島にかえることを思い描いていた私は、
いつでもおばあに逢いに行けることを、
それは楽しみにしていました。

また来たの?
なんておばあに言ってもらいたかった。
また来るよ。
なんておばあに言いたかった。


ようやく宮古島にかえってこられたいま、
あなたと直接言葉をかわすことはできないけれど。


耳の遠いおじいとは、
ゆっくり会話を始めたところだよ。
大丈夫。
少しずつでも伝わってるみたい。

叔父さんは、
おばあの命日を覚えていた私に、
ありがとうって言ってた。

本当は、今頃だったのは覚えていたけど、
正確な日付は母さんに確認したの、ないしょだよ。


おばあ、
あなたがたしかに息づくこの島に、
私はいるよ。


どうか、みていてね。




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Posted by 理人 at 01:46│Comments(0)呟き
 
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